息を吐くのだって詩だと初回講義で教授が言っていた。 私は不勉強な学生だったので、それ以降の講義は受けなかった。 そんな習わずの歌だから、ところどころグロテスク。 暮れ迫り 蝉姦しく蝉を呼ぶ 夏を過ぎゆく 人は寂しい 母として誰かの赤子抱くよりは …
7日目で蝉は死んでしまうし、7本の向日葵は密かな恋の暗示らしい。幸運の数字と夏が合わさると、何故だか寂しい。 そもそも夏の終わりも、真夏の夕暮れもなんとも心細い気もする。 案外夏は寂しい季節なのだ。 それどころか人生のいかなる時だって寂しい。 …
読書ノートまたはネタバレ もう地獄巡りは済みましたか? 6章「ONE」 地獄の話 情報の整理のために纏めてみた。誤った解釈による換言もあるかもしれない。以下、本文要約。 「僕」はマンションに帰ってきた。自室のある5階に行くためエレベーターを待つ。待…
〜 梨果汁少なめで喉越し爽やか〜 最後の章で世界観を解説してくれていて、前作『かわいそ笑』より親切。SCPのTAILのように同一世界観の二次創作も作れそう。 私的にはモキュメンタリー風味の強い3章と4章がお気に入り。 1章2章は視覚的表現が多く、少し読み…